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大阪市生活保護の就労自立支援データより

大阪市の「生活保護の適正化に向けて」という発表資料がある。

「生活保護の適正化向けて」

この資料の中に就労自立支援のデータがある。被保護者の就労可能な層にハローワーク同行等の就労自立支援を行った結果が載っている。

平成23年度 支援者数7,943人 就職者数4,134人、就職者の内保護廃止世帯178世帯

平成24年度 支援者数7,145人 就職者数4,535人、就職者の内保護廃止世帯239世帯

平成25年度 支援者数6,513人 就職者数4,403人、就職者の内保護廃止世帯229世帯

就職率(就職者数/支援者数)は、平成23年度52%、平成24年度63.5%、平成25年度67.6%。

ある意味驚くべき成果を上げている。ホームレス支援の現場で就職支援をしている立場からは、「結構がんばっているなぁ」という印象を持つ数字だが、対象の層がズレるということがあるので、より就職に近い層を対象としているのかなとも思う。しかし、好成績である。

次に世帯数と人数が取り混じっているので、正確とはいえないが、仮に世帯数が人数だと仮定して廃止率を(就職者の保護廃止世帯数/支援者数)みると

平成23年度 2.2% 平成24年度 3.3% 平成25年度 3.5%

という数字である。

就職率と保護廃止率に大きな乖離がある。これは、就労自立支援の取組みが不十分ということではない。

就職支援が行われれば、就労可能とみなされている被保護者の半数以上が何らかの仕事につくことができるが、その仕事は生活保護レベル以下の収入にしかならない仕事であり、自立はたいへん狭い門であるということを示している。

就労支援の成績が良い平成24年度25年度で、保護廃止世帯/就職者数は5%程度で、いくら割り引いて見ても、就職できた方の10人に1人しか自立できないような状況にあるということである。

求人は増えているが、食べていけるだけの収入が得られない仕事しか、仕事にブランクがある/就職がむずかしい層には回ってこないという状況がわかる。

生活保護制度の上で、就労可能とみなされることが、「働ける=生活保護に頼らず生きていける」という意味ではないことを示している。ハローワークに行くことは就職について効果があるが、自立にはあまり効果が見られないということである。

雇用に再吸収されない層に対して、生活保護等の生活保障の仕組みの中に収入が得られる就労対策の取入れを再検討すべき時期に来ていると、私は考える。

就職支援を受ける側は、行政の指導が矛盾していることを直感で見抜いているが、保護を受けている負い目もあって明確に問題化することもできない板ばさみの苦しい立場に置かれている。

生活保護を受ける人数を抑制したからといって、困窮状態の者が減ったということではない。このままでは、社会の亀裂が容易に回復できない状態まで進んでいってしまうだろう。一定程度の社会統合がなければ、現状の体制は維持できなくなると私は考えるが、政治に携わる人々にはそこのところをよく考えていただきたいと思う。

うまく制度変更をすれば、まだまだ日本の社会は維持できるはずだから。

ところが生活困窮者自立支援法は、「うまい制度変更」とまでは言えないので、苦しいところである。

ちょっと愚痴になってしまった。
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2009年7月失業率過去最悪の5.7%

03年4月→09年7月  失業率(季節調整値)5.5%→5.7% 失業率男性5.7%→6.1% 失業率女性5.1%→5.1% 有効求人倍率(季節調整値)0.61倍→0.42倍 電気機械の有効求人倍率(実数)0.98倍→0.11倍 輸送用機械の有効求人倍率0.89倍→0.17倍 新規求人倍率(季節調整値)1.03倍→0.77倍 非正規雇用比率29.8%→33.0% 雇用調整助成金の支給額 1億9千万→755億 株価(日経平均)7831円→10356円

「‥人員削減の対象は非正社員から正社員へ、製造業から非製造業へ、中小企業から大企業へと広がり、失業率は悪化の足取りを速めている。

‥政府も「(失業率)5.5%を絶対超えない」(与謝野財務相)として15兆円規模の補正予算を組んだが、5月末の予算成立からわずか2ヶ月でその目標も砕け散った。

‥ITバブル崩壊や不良債権処理などで失業率が過去最悪の5.5%を記録した03年4月は、自動車やデジタル家電などの求人数は底堅く、雇用の受け皿が存在していた。しかし、今回は主要11産業のすべてで新規求人数が4ヶ月連続で前年同月を下回るなど壊滅状態‥

‥一部では輸出や生産の回復の兆しが出ているが、景気悪化前の08年前半の水準を大きく下回る。」

朝日新聞朝刊090829

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