忍者ブログ

社会問題解決のための作業ルーム

Home > ブログ > 依存症

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ある棚卸し

 なだ いなだ先生が書いた本に『アルコール中毒』〈改訂版〉という本がある。1966年に出版されている。当時日本におけるアルコール依存症の治療の革新期であって、精神科病棟における治療や自助組織など現在社会化されている方法や連携はこの時期に始まっている。

そのためこの本は時代を画した著作であるが、現在必要とされている知識という視点からみれば、読んでいて少し物足りないかもしれない。それだけ、アルコール依存症に対する認識が高まり社会資源の整備が行なわれてきたことの証でもある。

この本がなぜ部屋にあるのか忘れてしまったまま、積読して10年近くたってしまった。

昨年、現代思想12月『新しい依存症のかたち』でなだ いなだ先生が執筆されていたので、思い出して取り出して読んだ。

ふと見ると、ノートの切れ端のようなものが本に挟んである。ふだん文章を書かない人が思いを込めたとわかるボールペン書き。

「松木様へ

私は一生つづく病気アル中になってしまいました。と言うより10幾年か前のように思います。前に松本さんが、病院のミーティングや断酒会、自助会の話を聞きたいと言っていたので、病院で読んだ本の中で、わたしにわいちばん読みやすかった本をおかしします。松本さんとわたしでわ頭のていどがちがうので、やさしすぎるかもしれませんが読んで下さい。
なお私は低頭なのですぐわすれます。一ヶ月に一回くらい読みなおして、私わアル中である一生酒はのめないのだということを頭に、たたきこみたいので読んだらかえしてくれますように。

なお入院中の見まい、その他いろいろいつもおせわになっていますありがとうございます。こんごともよろしくおねがいします

いつも10時から、13時半ごろまで病院に行ってますのでへやにいるのわ休日ぐらいです。また、夜は、断酒会、AAなどに行く時がありますので、夜の10時ころから朝の7時ごろまでわいると思います。」

ここまで大切な手紙をいただいていながら、当時の私は、この本を返していない。

またこの手紙を書いてくれた方がどんな方だったのか、今はまったく憶えていない。

文から想像すると小杉クリニックの毎日通院に行き始めたようす、居宅保護を受けているだろうことが窺える。

当時の私は正直福祉に関心がなかった。日雇・野宿労働者の「働いて自力で生活したい」との思いを受けて労働運動に飛び込んでいた。

だが、私自身アディクション的な生き方に囚われていたために、そうした活動も途中で無責任に放り出してしまった。今そのころの自分を振り返ってみても押し付けがましさと他罰傾向と強がりの中でもがいていたにすぎないと思う。

月日がたち、なぜかいま釜ヶ崎で福祉の仕事に拾われている。社会へのプレゼンという点から一番遠いから苦手と思っていた相談職だ。

なぜだろう。

福祉の仕事をしていても、私の内側に感じる苦しみからはいつも逃れられない。また具体的な行動と新しい取り組みで社会を変えていく活動も継続したいと思っている。だが、それらを取り混ぜたこの道のりを歩めているのはなぜだろう。

わたしがもはや忘れてしまった人々、釜ヶ崎の人々、野宿生活の人たちが、出会いの中で少しづつこの道を指し示してくれたからだ。わたしは気づかず、まるでこれが自分だけの辛さであるように考えたまま、日々を送ってしまっている。

本を返せなくてごめんなさい。この場でありがとうと伝えたいと思います。

仲間の心配りに感謝します。
PR

「中高年男性自殺の陰に飲酒」

国立精神・神経センターが遺族から聞き取り調査をした結果、自殺する1年以内に、アルコールで仕事に支障をきたすなどの問題を抱えていた事例が目立ったとの報告。

「結果がまとまった男女43事例をみると、中高年(30~64歳)の男性26人のうち9人がアルコール問題を抱えていた。
 平均飲酒量は1日あたり日本酒換算で3.5合。大半は依存症にあたる状態で、うつ病にもかかっていた。
 同センターは、「アルコールが衝動性を高め、行動に移す危険を高めている。今まで焦点が当てられてこなかったアルコール問題への対策が必要だ」と指摘。職場の健康対策でも、うつ病だけでなくアルコール問題も含めたメンタルヘルス対策が必要だとしている」

朝日新聞09年9月10日記事より。

ギャンブラーズ・アノニマス

09年8月29日、ギャンブラーズ・アノニマスのオープンミーティングに参加させていただきました。

ギャンブルで苦しんでいる方は行ってみる価値があるかも知れません。

私はギャンブル依存症の方の自助組織があるとは聞いていましたが、東京あたりで少し開かれているのだろうなぁと勝手に考えてしまっていました。大阪にも全国にも多数の会があるようです。

以下ページをご覧ください。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/ga-japan/

PAGE TOP